園芸療法とは?
植物に触れることによる「癒し」、植物の成長にともなう「喜び」、園芸作業をしている時の「楽しさ」などを通して、人の気持ちや行動は変わっていきます。子どもの場合は、成長のきっかけになります。そのような植物から得られる効果を利用した療法です。
園芸療法士とは?
植物から得られる効果を利用して、意欲回復や生活改善をねらいに働きかけます。そのため、植物の特性や栽培技術、自然や植物が人に与える影響についての知識に加え、対象となる方の疾患や支援方法についての理解も必要とされます。
園芸療法の定義
(日本園芸療法学会HPより引用)
園芸療法は、「医療や福祉分野をはじめ、多様な領域で支援を必要とする人たち(療法的かかわりを要する人々)の幸福を、園芸を通して支援する活動」であり、園芸療法士とは、「これを実践するために欠かせない豊かな人間性と高度の知識・技術をもつ専門家」です。
園芸療法の対象となる方
園芸療法の対象者は、子どもから成人・高齢者まで、疾患や障がいを問いません。
近年は、認知症、うつ病、生活習慣病の予防の視点や農福連携の分野でも園芸療法が取り入れられています。
分野 | 機関/対象 | 詳細 |
---|---|---|
医療 | 医療機関 | 精神科、リハビリテーション科、内科(緩和ケア)など |
福祉 | 高齢者 | 特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、 グループホーム、デイサービス、デイケア、訪問リハビリテーションなど |
障がい者 | 障がい者支援施設、就労継続支援事業所(A・B型)など | |
子ども | 保育所、こども園、放課後等デイサービスなど | |
教育 | 教育機関 | 幼稚園、特別支援学校など |
地域 | 団地、公園など |
園芸療法で扱う植物を選択するときのポイント
対象の方に合わせ、みどりの空間の中で過ごす、植物を栽培する、収穫して食す、花を飾る…など
さまざまな方法で広く植物を用います。
- 植物の毒性・とげ、対象者のアレルギーの有無に対する配慮
- 対象者の「きれい」「かわいい」などの言葉を引き出す、好みの植物、馴染みのある植物、おどろきなど新奇性のある植物
- 対象者の五感を刺激する要素のある植物
- 栽培が容易で、短期間で開花や収穫が出来る
園芸療法での植物との関わり方(一例)
ガーデン散策
風や太陽の光を肌で感じることで、心がリラックスします。
きれいな花に手が伸び、会話も自然と弾みます。
栽培活動
・寄せ植え・
・イチゴの収穫・
・水やり・
・花壇の管理作業・
発芽や開花など植物の日々の成長から、期待感や喜び・季節感が得られます。
また、毎日の水やりや管理作業は、生活リズムを整え、身体機能の維持や向上につながります。
創造活動
・フラワーアレンジメント・
・葉っぱペイント・
・押し花でうちわ作り・
・木の実のリース・
ガーデンの花でフラワーアレンジ。育てた野菜をみんなで調理。
つくる楽しみ、自分を表現する楽しみ、ほめる喜び・ほめられる喜びを感じることができます。